堀江さんが拘留中に読んで涙が止まらなかった

という記事を見てからずっと気になってた
小説「沈まぬ太陽」を読みました。

昨年映画化されましたが、日本航空をモデルとした

上層部の腐敗、組合との対立、権力争いなどが描かれています。

私はずっと空の移動はJALがメインで満足度も高かったので、

現場の優れたホスピタリティからは想像もできなかった

組織内部の腐敗に驚きました。

それもJALが会社更生法を適用することになった今、

この小説に書かれている内容が恐ろしいほどの説得力を
持っています。


私が就職活動していた時期などは、JALは就職人気ランキングが
まさしく1位だったので、あの頃に読むと感じ方は違っていたでしょう。

上層部の性格や思考が歪んでいると、おかしな常識が組織全体に
ゆっくりと長い歳月を経て染み渡り、やがて取り返しがつかない
ほどに腐敗するのに、その過程では気づきにくものです。

会社は経営者、上層部には人格者を揃え、そういった人物しか
昇進させてはならないと気持ちを新たにしました。


また、高度成長期のインフレ経済の背景での話しではありますが、

会社が大きな赤字を出している時期なのにスト行為などを盾とし

断固賃上げなどの労働条件の交渉を繰り返す労働組合と、

懲罰人事などで報復し返す腐敗した経営陣が対立する構図は、
実に馬鹿らしいけど、誰のせいとも言えなくて、
やるせない思いがしました。

そもそも会社関係者はみな一連托生のチームなのに、

内部でケンカしてても最終的には誰の得にもならないということです。

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