日本証券業協会の、
「上場前に個人から出資を受けるとIPOできない」
という趣旨の条項が含まれている、協会規則の改正案が
話題になっています。(日経記事
)
一瞬耳を疑うような話しなのですが、もし改正案どおり
成立すると、また日本のベンチャー市場は
大きく活力が失われるのではと危惧しています。
いくつもある本件の懸念点については、
とても解りやすいです。
この件でふと昔のことを思い出したのですが、
私が上場前に資本政策で悩んでいた時に、
「個人の有力者に出資してもらっておいたほうがいいよ。
何かと上場まで力になってくれるから」
とアドバイスされたことがありました。
その理由は、
会社から出資すると、上場を果たして儲かっても、
それは会社のお金だけど、
個人として出資すると、自分個人の儲けになるので
精力的に応援してくれるから。
ということでした。
つまり会社と個人では、出資者のお金を出した後の
力の入れ方が違うということです。
動機のありかが個人の儲けであることが良いか悪いか
は別として、
国内のベンチャー企業育成において、
支援者の強力な動機が失われないかというのも、
懸念点のひとつです。
この改正案については
本日(7・1)までパブリックコメントを募集していて
既に多数の反対意見が届いているようですが、
私も所属しているeビジネス推進連合会
を通じて、
本日懸念を表明するパブリックコメントを提出しました。