最近、複数の国内のネット企業が、

海外から撤退するという情報が

立て続けに入ってきて、去年、

「来年みんな帰ってきますよ」
「来年は海外撤退ブームですよ」

などと、月間BOSS(記事の下のほう

などの取材で自分が答えていたのを
思い出しました。

それで、「ほら、わしの言ったとおりじゃ」
的な自慢を社内でしていたら、

村の長老みたいですね」

と言われたのですが、実際、

黎明期からインターネット村で
生き残ってきた立場で言わせて

もらえば、消えていったほとんどは、
波に流されていた人たちです。

2000年ネットバブルの頃もそうだし、

2004年買収ブームの頃もそうだし、

ちょこちょことした波は、もっとたくさんありました。

昨年までは、ちょっとしたグローバル
ブームと言ってもいいほど、

各社の海外展開が注目されていました。

海外展開を期待されて株価が上がったし、

グローバルの特集記事を組んだメディア
から取材を受けたし、

採用をしていても「御社の海外展開は?」

と例年以上に頻繁に尋ねられました。

大概、株価、メディア、採用は3点セット

で波のように押し寄せてきます。

それらに背中を押されるように海外に

出ていった会社も多かったですが、

最近では株式市場もメディアも

何事もなかったように波が引いて、

株価のテーマにならず、メディアでの
特集もみかけません。

もちろんそんなことに関係なく、

グローバル戦略は我々含めこれから

の企業には必須です。
でも、グローバルブームに流されて

いたように見えるネット企業は、

海外市場の成長性、規模、競争などの

面から言えばその通りでも、

私には肝心の事業がなかったように
見えました。
だから「帰ってきますよ」などと、
覚めて答えていたのです。
(当社の海外戦略については2010年に

ブログに書いた とおりです)

もちろん、波をうまくのりこなすこと
大事
です。
また、リスクを取らなければリターンも

ないのも事実です。

しかし、サーフィンと同じで、

自分の実力でとれるリスクの範囲で

波に乗っていなければ、

重傷を負うこともあるし、命を落として

しまう危険性もあります。

長老になってくると海の怖さを熟知して
いるので、嵐の日に、
「あの若者、海に出たのか!?」

みたいな気持ちになることがあります。

昨今は、LINE、パズドラの決算や

株価の上昇、メディアの特集を見て、
急に、やはりネイティブアプリだ!

と一攫千金を夢見る人が増えてきました。

長老としてはもちろんそれがどういう

ことかを知っているつもりです。

事業会社の人は、主体性を持たず
3点セット(株価、メディア、採用)
で押し寄せる波に流されるのは、
とても危険なこと
なのです。

「・・そこは真っ赤な海じゃ!」


と、長老風に締めくくりましたが、

我々、ネイティブアプリにおいても

グループ挙げて成功を収める所存です。