本日、サイバーエージェントは

東証マザーズからの市場変更で、

東証一部に上場させて頂きました。

いつも支えて頂いている皆さま、

ありがとうございます。

先週、承認が発表された時にも
たくさんの方からお祝いの言葉を
かけて頂きました。


でも正直に言って、上場準備の
作業は弊社の優秀なプロジェクト
チームが全部やってくれていたので
私はほとんどやることがなかったし、
東証一部を経営目標にしていた
訳でもなかったので、お祝いを

言われても逆に気恥ずかしかったです。

でも、2000年3月、26歳の時に

IPOして以来、長年ぶりに今日
ここに来てみたら意外なほど
嬉しかったです。

そして感慨深いものがありました。


14年半に渡って東証マザーズに

在籍させて頂いてた訳ですが、

我々は東証一部を目指すより、

むしろ東証マザーズに居ることに
拘り
をもっていました。

マザーズが創設されたのは、

1999年末ネットバブルの真っ只中
でした。

創設から間もなく、弊社は初期銘柄
として上場させてもらいました。

マザーズが創設された目的は、
これからの時代に日本に新しい
企業を育てることであり、

創業間もない会社でも、赤字でも
上場が認められるという特徴が
ありました。

だから我々は創業してわずか2年、

直近決算が赤字だったにも
関わらず上場させてもらえたのです。

それから14年で、上場時たった
4億5千万円だった売上は、400倍の
1800億円(2014年9月期見込み)

となり、わずかながら赤字だった

営業利益は200億円(同)に

なりました。

このような成長が出来たのは、

あの時期にマザーズに上場させて
もらい、多額の資金調達ができた

からであり、上場によって知名度、

信頼度が向上したからに他なりません。

多くの不祥事や事件も起きた

マザーズ市場ではありますが、
創設の目的を十分に果たして
いると私は言いたいです。

「日本にもメガベンチャーを」という

マザーズ創設時の期待に応えたい
と私もずっと思っていました。

我々がマザーズに居ることに

拘っていたのは、我々はベンチャー

企業であり、急成長を目論んで

いるので、投資家もそれを

前提としたマザーズが相応しい

と思っていたからです。


なのになぜこの時期に市場を

替えたのかというと、2つの理由

があります

ひとつはやはり

東証からマザーズは通過市場

という明確な方針が出たので

それに従おうと思ったことです。

個人的にはアメリカのナスダック
のように、マザーズにはIT企業が
多く集まる市場になればよいと

考えてましたが、そうはならなかった

ようです。

理由のもうひとつは、

もう自分たちがマザーズを
引っ張る存在ではない

感じたことです。

上場して14年半、一時期は
いつも売買代金が1位だったし、
時価総額首位の時期もありました。


でも、最近はバイオやロボットなど

更に新しいジャンルに注目が
集まるようになりました。

私より若い経営者もたくさんいます。

マザーズは孵化器のような存在

だと言われていましたが、

そういう意味では、孵化させて

もらった我々はもう次のステージ

行くべきなのかも知れません。

今日から東証一部企業ですが、

当然、それに見合う社会的な責任

を果たさなければなりません。
若いから、新しい会社だからという

言い訳は通用しなくなるでしょう。

でもそれと同時に

絶対にベンチャースピリットを忘れない。

僕が言わなくても、弊社の社員は

もちろんその気だと思いますが、

改めて胸に刻んでおこうと思います。