本日、第二四半期(1〜3月)の決算を発表しました。
過去最高の売上高を更新すると同時に、下方修正前の業績水準まで回復させることが出来たと思います。
修正後の営業利益見通しに対しては超過達成ペースです。
つい3ヶ月前に下方修正を出しておいて、リカバリーが早すぎだろうと思われる方もいるかも知れませんが、実際のところ、第一四半期の段階では、見た目以上に中身が悪かったです。
それは上場企業の社長がブログに書くくらいだから、近い将来答え合わせできるでしょう。”
ここ数年、会社は概ね順風満帆だったと思います。
厳しい状況も、なんだかんだ乗り切って成長を続けてきたという意味では、もう10年以上、順調な日々が続いていたと言っても過言ではないかも知れません。
その間ずっと、私は組織が緩むことに警戒心を忘れてはいけないと気を付けていたつもりではあるのですが、いつの間にか私自身の気が緩み、油断していたのだと思います。
本日、この世で一番聞きたくない言葉「下方修正」を出しました。
シンプルに言うと、2019年9月期の見通しを、
営業利益300億円→200億円
へと修正したというものです。
株主のみなさま、申し訳ありません。
たった3ヶ月前に発表したばかりの数字なのに何故100億円も?と思われるかも知れません。
それについて時系列でご説明します。
コストを増やし過ぎていることに気がついたのは、今から半年前、2018年夏頃のことでした。
先行投資中のAbemaTVだけでなく、広告事業もゲーム事業も、さらなる成長の好機とみて、新規事業を立ち上げ、どんどん人を採用し、広告費を増やしと先行投資を膨らませていました。
少なくとも去年の春頃までは、売上がそれ以上に伸びるのでコスト増加分を吸収できていたのですが、コスト増に成長スピードが追いつけなくなってきていたのです。
ブレーキを踏むべきか迷いましたが、期待のゲーム新規大型タイトルを控えていたので、その進捗を見ることにしました。
そして9月末にゲームをリリース、好調なスタートを切ったことから、その約1ヶ月後の決算発表時に300億円の営業利益で見通しをだすことにしました。それが今から3ヶ月前です。
過去にも同様のパターンでゲームの伸びによって全体が潤っていたことから、特定のゲームタイトルに依存し過ぎてしまっていたと反省しています。
11月下旬、ゲームユーザーの増加に対し期待していたほどに課金は伸びないことに気付き、全社的にコスト増にブレーキをかけることにしました。
会社は車と同じで、クリープ現象のようにブレーキを踏んでもしばらくは動いてすぐに止まれないので、結構強めにブレーキを踏んだつもりですが、1Q(10〜12月)はだいぶ出遅れてしまいました。
2Q以降は、コスト構造の見直しの成果が現れて、巡航速度に戻ると思います。
それは上場企業の社長がブログに書くくらいだから、近い将来答え合わせできるでしょう。
それでも何故下方修正を出したかと言うと、理由は3つあります。
まず1つ目に、残り9ヶ月、必死に巻き返して300億円を目指すことも選択肢としてはありました。でも、投資すべきものに投資できなくなったり、撤退するタイミングではないものを撤退せざるを得なくなったり、後手に回る経営は大事な判断を間違えやすいという考えが私の中にありました。
2つ目に、これは内向きな話になりますが、3月にアベマタワーズ、10月には渋谷スクランブルスクエアと、立派なビルへの引っ越しを控えている中、社内外に対し、下方修正を通じて危機感を伝えたかったということがあります。
3つ目は、1Qから大きく出遅れた中、本当に業績予想の見通しを達成できるのかと投資家に疑念を持たれながら残り9ヶ月という長い日々を株式市場で過ごすよりも、この段階で悪材料を全て出し尽くし、今後のニュースをポジティブなものにして日々過ごした方が結果として株価に良いのではと考えました。
下方修正は出しましたが、インターネット産業も、サイバーエージェントも、まだまだこれから伸び盛りです。経営陣も社員も若く、社内では相変わらずやる気に満ち溢れています。
今回の修正は、再スタートのラインです。
ここで身を引き締めて出直し、より強い会社になって、またしっかりと増収増益を積み重ねて行きたいと思います。
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