大阪から帰る新幹線の中でこの本を読んでいたら、涙で前が見えなくなりました。
鼻水も出てきていつもは必要ない、グリーン車で配られるおしぼりのようなのが手元にあって助かりました。
 

 
話題の新刊「M」です。
8月1日の発売日に初版5万、2刷3万、3刷5万部と聞いていたのですが、Amazonの本の総合ランキングもずっと1位なので、現在はもっと増刷されているかも知れません。
 
評価が極端に分かれることが本がヒットする条件という話を聞いたことがありますが、Amazonのレビューを見てみると、
 



星1つ付けている人は本当に本書を読んだのでしょうか?

読みもしないで悪く言う人に頭にきた私は、人生2度目のレビューをアマゾンに投稿しました(匿名ですが笑)

 

アンチの人もいるだろうし、過去の話が気に入らない人もいると思います。

でも、この本は騙されたと思ってもいいから一度読んでみてください。

決して安っぽいラブストーリーではないし、曝露本でもありません。

日本を代表するノンフィクション作家である小松成美さんが、圧倒的な筆力を持って描いたリアルドキュメンタリー小説です。

 

やりたいことも夢もなかった一人の普通の女の子が、好きな人の期待に応えたい一心で信じられないほどの力を発揮する。恋心というものが生み出す偉大さを気付かされます。

 

それと相反するように、成功の階段を上がって行けばいくほど深まる孤独、手放していく普通の人生の普通の幸せ。そして一番大事なものを失った時、人はどうなるのか。

 

あまり書くとネタバレになりますが、文中でも描かれていた、テレビ番組で「appears」を歌っている最中、カメラの前で泣いてしまったシーンがネットに残っていました

ずっと張り詰めてきた彼女がその時どれほど限界だったか、映像を通じてもわかります。

 

個人的には、浜崎あゆみを売り出そうと必死だったまだ駆け出しのころの松浦さんが、

「この顔は売れない」「絶対無理だ」

と言われている時、テーブルの下で拳を握りしめて震えているシーンが好きです。

 

圧倒的おすすめ。

 

M 愛すべき人がいて M 愛すべき人がいて
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